ワンとニャンとヤバイ

ヤバイくない?うん ヤバイ。

ヤバイよねー。それな。

 

 

確かにヤバイ

 

 

「ヤバイ」という言葉は便利で

テストで100点を取った時に「ヤバイ」

はたまた0点を取った時にも「ヤバイ」

人によっては60点でも「ヤバイ」

 

1日のうちに一体どれだけの回数

僕たちは「ヤバイ」という言葉を

使っているだろうか。

 

僕らは確実に「ヤバイ」の世代に生まれ、そして見事にその言葉を使いこなしている。「ヤバイ」の対象をその都度頭に思い浮かべることがないほどに。

 

「ヤバイ」は次の世代へ引き継がれる。

引き継がれる度に、「ヤバイ」の解釈は多様になっていき、将来的にはもしかしたら全ての会話が「ヤバイ」で済まされるようになってしまうかもしれない。

 

ここで考えてみてほしい。

コミュニケーションをとるのに決まった音しか発しない生物が存在していることを。

 

犬だ。

 

僕ら人間に理解できないだけで、

「ワン」というこの音には、無数の意味が含まれているのではないだろうか。

「ワンワンワン」

今日の朝日は綺麗だった。

こんな意味かもしれない。

 

僕らが想像もできないような法則がそこにはあるのだろう。

では、犬は人間よりもはるかに高度な脳を持っているという認識で良いのか。

 

そういうわけではない。

むしろ逆だ。

 

言葉を使うことを怠った成れの果ての姿が犬なのだ。

つまり、犬も元々は「ワン」と吠える以外に言葉を持っていたのだ。

 

自分たちに与えられた言葉を使うことを怠り、1つで多様な意味を表すことのできる言葉ばかり使いすぎた結果、本来の自分たちの言葉を失ってしまったのだ。

 

このままでは人間も犬と同じ道を歩むことになるだろう。

 

今日のあと13時間。

「ヤバイ」を使わない生活を送ってみるのもいいだろう。

 

 

 

 

ウアセチゲリメ

仲間の蜂が棘に刺さった。

 

それを見ていた僕は棘に触れずに蜜を吸う方法を学んだ。

 

それからは何度もそうやって蜜を吸い続けた。

 

そして今日も綺麗な花には棘があることを知ってる賢い僕は蜜蜂は上手く避けながら蜜を吸おうとした。

 

思い込みだった。

 

するとそこには上手く擬態した蟷螂が隠れていて呆気なく捕まえられてしまった。

 

避けれなかったわけじゃない。

 

そんな関係に疲れたのかもしれない。